シソ科
Lamiaceae
ニンジンボク
Vitex negundo L. var. cannabifolia (Siebold et Zucc.) Hand.-Mazz.
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- 英名
- Chinese chastetree, five-leaved chastetree, horseshoe vitex
- 中国名
- 牡荊
- 花期
- 5~10月
- 生薬名
- ①牡荊実(ボケイジツ),②牡荊根(ボケイコン),③牡荊瀝(ボケイレキ),④牡荊茎(ボケイケイ),⑤牡荊葉(ボケイヨウ)
- 薬用部位
①果実,②根,③茎の汁,④茎,⑤葉
- 成分
地上部にフラボノイド(penduletin),フェノール誘導体(isovanillic acid),ラクトン(vitexilactone B)
- 産地と分布
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中国原産で,庭木として植えられる.
- 植物解説
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落葉低木.樹高約3 m.葉は対生,掌状複葉で,アサの葉に似る.小葉は3~5枚,広披針形で粗い鋸歯がある.円錐形の花穂に淡紫色の小さな唇形花を階段状に付ける.石果は径約5 mmの倒卵形で黒熟する.
- 薬効と用途
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果実はカゼに効果があり,咳や喘息,腹痛に用いる.根には発汗作用があり,また抗マラリア薬としても用いる.茎の汁は小児のひきつけ,下痢,たむし,痰などに用いる.茎は火傷や焼けただれた傷に用いる.葉は寝違え,脚気の腫れなどに用いる.
葉の形がオタネニンジン(薬用人参)に似ることからその名がある.当園の個体は熊本大学の前身の一つである旧細川藩の薬園・蕃滋園(ばんじえん)に由来するものである.
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