熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

グミ科
Elaeagnaceae
ナワシログミ
Elaeagnus pungens Thunb.
別名
タワラグミ,トキワグミ
ナワシログミ
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  • ナワシログミ
  • ナワシログミ
英名
thorny olive, spiny oleaster, silverthorn
中国名
胡頹子
花期
10~12月
生薬名
①胡頹子(コタイシ),②胡頹子根(コタイシコン),③胡頹子葉(コタイシヨウ)
薬用部位

①果実,②根,③葉

成分

果実に色素(lycopene),葉にフラボノイド(kumatakenin),トリテルペン(lupeol)

化学構造式

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  • ナワシログミ 化学構造式1
  • ナワシログミ 化学構造式2
  • ナワシログミ 化学構造式3
産地と分布

本州関東地方以西,四国,九州,および中国に分布し,暖地の海岸地方や山野に生える.

植物解説

常緑低木.しばしば庭木や公園樹になる.樹高2.5 m内外.枝は固く,よく分枝する.短枝の先はしばしばトゲになる.葉は厚く長楕円形.短枝のある白色の花を脇生し,葉の間に垂れ下がって開く.果実は長楕円形で,赤く熟し食べられる.

薬効と用途

果実は鎮咳,下痢止め,止渇(喉の渇きを止める)などの作用がある.根や葉は鎮咳,止血,黄疸除去などの作用がある.リウマチの痛みには服用,外用する.
稲の苗代を作る初夏に実が熟することでナワシログミという.「グミ」とは「グイミラ」から来ている.グイとはトゲの多い木という意味で,ミラは実のことである.

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