熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

サルトリイバラ科
Smilacaceae
サルトリイバラ
Smilax china L.
別名
カカランハ,イゲンハ,サンキライ,マンジュウノハ,イヌイバラ
サルトリイバラ
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  • サルトリイバラ
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英名
smilax
中国名
菝葜
花期
3~4月
生薬名
①菝葜(バッカツ),和山帰来(ワノサンキライ)
薬用部位

①根茎,②葉,③果実

成分

根茎にフラボノイド(taxifolin, engeletin, astilbin)

化学構造式

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  • サルトリイバラ 化学構造式1
  • サルトリイバラ 化学構造式2
  • サルトリイバラ 化学構造式3
産地と分布

北海道から九州,および台湾,朝鮮,中国に分布し,山野でよく見られる.

植物解説

つる性低木.根茎は堅く肥大する.茎は0.7~2 m以上となり,まばらに下曲したトゲがある.葉は互生で円形または楕円形,革質で光沢がある.雌雄異株で葉腋に黄緑色のちいさな花を散形花序に付ける.果実は紅色で球形.

薬効と用途

排膿解毒作用があり,腫れ物,出来物,ニキビなどに用いられる.日本では,かつて梅毒の治療に盛んに用いられた.利水作用もあり,リウマチ,神経痛,腎炎,膀胱炎などにも用いる.カゼや解熱,膀胱炎や尿道炎には葉を用いる.果実を食べると口の乾きを癒す.
関西以西では5月頃に葉で餅を包むのに用いる.若葉はお浸しにして食用にでき,またお茶の代用,タバコに混ぜるなどの民間利用も広い.

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