熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

バラ科
Rosaceae
カワラサイコ
Potentilla chinensis Ser.
カワラサイコ
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  • カワラサイコ
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英名
Chinese cinquefoil
中国名
委陵菜
花期
6~8月
生薬名
委陵菜(イリョウサイ)
薬用部位

全草または根

成分

フラボノイド(apigenin, quercetin),タンニン(gallic acid)

化学構造式

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  • カワラサイコ 化学構造式1
  • カワラサイコ 化学構造式2
  • カワラサイコ 化学構造式3
産地と分布

本州,四国,九州,および朝鮮,アムール,中国,台湾などに分布し,日当たりの良い海辺や河原の砂地に生える.

植物解説

多年草.草丈30~60 cm.根は太く,茎も太い.葉は羽状複葉で,小葉はさらに切れ込む.葉は裏に綿毛があり白色.茎の頂端に散房状集散花序をつけ,多数の黄色い径1 cmくらいの花を付ける.苞葉は掌状に分裂.萼片,副萼片は同じ長さ,ともに外側に白い毛がある.そう果は毛が無く,なめらかである.

薬効と用途

鎮痛,解毒作用があり,リウマチによる筋骨の疼痛,四肢の麻痺,およびアメーバ赤痢や細菌性腸炎による下痢や腹痛などに用いる.出血や皮膚化膿症には外用する.
日本ではかつて柴胡(ミシマサイコの根)の代用とされたが,効果は疑問視されている.

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