熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ヤマノイモ科
Dioscoreaceae
オニドコロ
Dioscorea tokoro Makino
別名
トコロ
オニドコロ
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  • オニドコロ
  • オニドコロ
英名
No Information
中国名
山萆薢
花期
6~9月
生薬名
萆薢(ヒカイ)
薬用部位

根茎

成分

サポニン(dioscin, protodeiocin, gracillin)

化学構造式

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  • オニドコロ 化学構造式1
  • オニドコロ 化学構造式2
  • オニドコロ 化学構造式3
産地と分布

北海道から九州,および中国の中部以南に分布し,山野に生える.

植物解説

つる性多年草.地下茎は分枝して横走し,肥厚する.茎は伸長して他の物に巻きつく.葉は互生し,長柄があり心形か三角状心形で薄質,長さ5~12 cm,鋭尖頭,全縁で基部は深心形.雌雄異株で葉腋に長い円錐花序を出し,淡緑色花を並べて付ける.

薬効と用途

鎮痛,利水作用があり,リウマチ,関節痛や足腰の疼痛,腎不全による尿毒症,排尿困難や混濁尿,湿疹などに用いる.飲みすぎると胃や腸の粘膜がただれることがある.

根茎は苦いが,木灰汁で煮たり流水に浸したりして苦味を取って食用にする.栽培品は苦味が少ないため,かつてはしばしば食用にされた.根茎から生える根をヒゲに見立て,長寿を願う正月飾りに利用された.

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