熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ウマノスズクサ科
Aristolochiaceae
ウマノスズクサ
Aristolochia debilis Siebold et Zucc.
ウマノスズクサ
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  • ウマノスズクサ
英名
No Information
中国名
馬鈴兜
花期
6~7月
生薬名
①馬兜鈴(バトウレイ),②青木香(セイモッコウ)
薬用部位

①果実,②根

成分

フェナントレン(aristolochic acid I, debilic acid),アルカロイド(magnoflorine)

化学構造式

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  • ウマノスズクサ 化学構造式1
  • ウマノスズクサ 化学構造式2
  • ウマノスズクサ 化学構造式3
産地と分布

本州の関東地方以西,四国,九州,および中国に分布し,原野,川の堤,茶畑などに生える.

植物解説

落葉つる性多年草.草丈は30~100 cm.根は長く地中に伸び,ところどころに苗が生える.茎や葉に一種の臭気がある.茎は細く強く,初めは直立するが,上部は他の物にすがって上昇し,まばらに分枝する.葉は互生,三角状狭卵形で鈍頭.花は緑紫色で,葉腋から出る1本の細い柄の先に1個横向きに開く.さく果は球形.

薬効と用途

果実は鎮咳などの作用があり,咽喉炎や気管支炎などの咳や痰,小児の喘息などのほか,痔の出血や肛門周辺の腫れ,痛みにも用いる.
根は止痛,消腫などの作用があり,胸腹部の痛みや下痢,腫れ物などに用いるが,含有成分のアリストロキア酸は腎障害を引き起こすため,現在では薬用にしない.

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