熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

モクセイ科
Oleaceae
イボタノキ
Ligustrum obtusifolium Siebold et Zucc.
別名
コバノイボタ
イボタノキ
写真をクリックタップすると、大きいサイズで表示されます。
  • イボタノキ
  • イボタノキ
英名
border privet, Amur privet
中国名
遼東水蠟木
花期
5~6月
生薬名
伊保多蠟(イボタロウ)
薬用部位

幹や枝に寄生する昆虫イボタロウカイガラムシが分泌する蠟

成分

脂肪油(cerotic acid, ibotacerotic acid)

化学構造式

画像をクリックタップすると、大きいサイズで表示されます。

  • イボタノキ 化学構造式1
  • イボタノキ 化学構造式2
産地と分布

北海道から九州,および朝鮮に分布し,山野に普通に生える.

植物解説

半落葉低木.樹高2~3 m.枝は灰白色でよく分枝する.葉は長楕円形で鈍頭.晩春に小枝の先の総状花序に白色で筒状の小さい花を密に付ける.花冠は4裂する.果実は紫黒色で楕円形.

薬効と用途

イボタ蠟は,採取した蠟を沸騰した湯の中に入れて溶かし,水面に浮いたものを冷やして固めて作られる.止血やイボ取りの作用がある.イボには,イボの根本を絹糸で巻き,固形化した蠟を熱で溶かし付けるという療法がある.このため,「イボ取りの木」がなまってイボタノキの名前になった.
家具のつや出し,戸滑りに用いられ,中国ではろうそくの原料にされる.

参考文献についてお知りになりたい方はお問い合わせください。