熊本大学薬学部 薬草園 植物データベース

イヌサフラン科
Colchicaceae
イヌサフラン
Colchicum autumnale L.
別名
コルチカム,ノサフラン,マキバノサフラン
イヌサフラン
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  • イヌサフラン
  • イヌサフラン
英名
meadow saffron, autumn crocus
中国名
犬洎夫藍
花期
9~10月
生薬名
①コルヒクム子(コルヒクムシ),②コルヒクム根(コルヒクムコン)
薬用部位

①種子,②根茎

成分

アルカロイド(colchicine, colchicoside, demecolcine)

化学構造式

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  • イヌサフラン 化学構造式1
  • イヌサフラン 化学構造式2
  • イヌサフラン 化学構造式3
産地と分布

ヨーロッパ中南部および北アフリカの湿った草原に群生する.日本でも薬用,観賞用として栽培される.

植物解説

多年草.地下に卵形または卵形の複合した形の鱗茎があり,春,広線形の葉数個を直立するが,この葉は夏には枯れる.長い花筒を地上に伸ばし,紅紫色の花を数個付ける.花後,花柄が伸びて鱗茎内にあった子房が現れ,楕円形の果実を結ぶ.翌夏,完熟して3縦裂し,甘い粘液に包まれた黒色球形の種子を出す.

薬効と用途

含有成分のコルヒチンは痛風の痛みに特異的に作用する.18世紀以降,フランスでイヌサフランの球茎をワインに漬けた薬用酒が痛風の特効薬として売りに出されたが,毒性もあり民間での利用は控えることが望ましい.葉が山菜のギョウジャニンニクとよく似ており,誤って食べることによる中毒事故がしばしば起こる.毒性が非常に強く,悪心,嘔吐,腹痛,血尿,痙攣などが起こり,呼吸麻痺により死に至ることもある.また,コルヒチンは染色体数を倍加させるため,種なしスイカを作るときに用いられる.