熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

スイカズラ科
Caprifoliaceae
オミナエシ
Patrinia scabiosifolia Fisch. ex Trevir.
別名
オミナメシ,アワバナ
オミナエシ
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  • オミナエシ
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英名
Eastern valerian, scabious patrinia
中国名
黄花龍芽,敗醤
花期
8~11月
生薬名
①敗醤根(ハイショウコン),②敗醤葉(ハイショウソウ)
薬用部位

①根,②全草

成分

サポニン(scabioside A-G)

化学構造式

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  • オミナエシ 化学構造式1
  • オミナエシ 化学構造式2
  • オミナエシ 化学構造式3
産地と分布

日本各地,および千島,サハリン,台湾,朝鮮,中国,モンゴル,ウスリー,東シベリアに分布し,山野の林縁,半湿生草地などに生える.

植物解説

多年草.草丈60~100 cm.根茎はやや大型で横臥する.茎は直立してやや太く,下部は多少粗毛がある.葉は対生し,羽状全裂して裂片は狭く尖頭.花期は8~10月.茎上部に黄色の小さな花を多数散房花序に付ける.

薬効と用途

根や全草は清熱,解毒,排膿,駆瘀血(体の血の滞りを改善する)作用があり,虫垂炎,下痢,腫れ物,産後の腹痛や子宮出血などに用いる.漢方処方には,薏苡附子敗醤散などに配合される.
乾燥した根は悪臭を放つ.若芽や葉はゆでて水にさらして食用とする.秋の七草の一つとして知られている.

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