熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

バラ科
Rosaceae
ウメ
Armeniaca mume(Siebold et Zucc.) de Vriese
ウメ
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  • ウメ
  • ウメ
英名
Chinese plum, Japanese apricot
中国名
花期
2~3月
生薬名
①烏梅(ウバイ)
薬用部位

①未熟果実をくん製したもの,②梅干,③生の果実,④梅肉エキス,⑤梅酢,⑥梅干の種子

成分

①に有機酸(citric acid, malic acid, succinic acid)

化学構造式

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  • ウメ 化学構造式1
  • ウメ 化学構造式2
産地と分布

中国中部の原産.

植物解説

落葉小高木.九州では野生化したところもある.樹高約6 m.枝は多く分枝し,樹皮は堅い.葉は有柄で互生,卵形で花より後に展開する.前年の枝の葉腋に白色または紅色,淡紅色の花を付け芳香を放つ.果実は黄熟し,球形で酸味の強い核果である.

薬効と用途

漢方では燻製にした未熟果実を下痢止め,止渇,回虫駆除薬として用いる.漢方処方では椒梅湯,杏蘇散などに配合される.民間では様々な用い方がある.カゼの解熱に梅干と少量の醤油,ショウガの搾り汁を熱湯に注いで服用する.同様の症状に,生の果実をすり下ろし,布で濾した汁を煮詰めて黒い飴状になったもの(梅肉エキス)を作り,豆粒量を湯の中に落とし一日数回服用する.食べ過ぎで吐かせたいときには杯2杯の梅酢を一度に飲ませる.鎮咳去痰に粉砕した梅干の種子と砂糖を加え飴状に煮たものを服用する.
未熟な果実を収穫して放置すると青酸ガスを放出して中毒することがあるため,換気を心がける.果樹として広く栽培される.

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