熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

イネ科
Poaceae
アワ
Setaria italica (L.) P.Beauv.
アワ
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英名
foxtail millet
中国名
梁,小米,穀子
花期
8~9月
生薬名
粟(アワ)
薬用部位

種皮を除いた種子

成分

澱粉,タンパク質,脂質

産地と分布

東アジアの原産.

植物解説

一年草.品種による形態変異が大きい.草丈80~180 cm,葉は線状披針形から狭披針形,穂は多数の頴果からなり,長さ10~40 cm,長いものでは垂れる.品種によっては穂の先端が分枝するものも,穂が掌状に広がるものもある.
ネコジャラシとして知られるエノコログサが直接的な先祖であり,容易に雑種が形成される.

薬効と用途

健胃,消炎,止瀉作用があり,胃腸虚弱,胃の炎症,下痢などに用いる.漢方処方では胃風湯に配合されている.
穀物として栽培される.日本へは縄文時代に既に栽培されており,イネ伝来以前の主食であった.しかし1900年頃から栽培が急激に減少し,現在では各地の山村で遺存的に栽培されているに過ぎない.穂の美しさを観賞するために,いくつかの園芸品種が作出されている.

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