熊本大学薬学部案内2024
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研究テーマ研究テーマ熊本大学大学院薬学教育部博士後期課程 創薬・生命薬科学専攻下関西高校(山口)木下 慶大熊本大学大学院薬学教育部博士後期課程 創薬・生命薬科学専攻真和高校(熊本)福島 友太朗13熊本大学薬学部現在、脳内出血の根本的治療薬は存在していません。そこで私はマウスを用いて、脳内出血発症後に見られる脳内炎症応答や神経傷害を軽減する治療薬候補の作用解析を行なっています。そのような治療薬候補が将来臨床で用いられるようになれば、脳内出血による死亡率の低下と後遺症の軽減が可能になるものと期待されます。医学の進歩などにより、世界的にヒトの寿命が延伸している一方で、未だ寝たきりなどの不健康な期間は長いままであるため、健康寿命の延伸が望まれています。そこで、私は、本研究室が独自に開発した世界唯一の技術である線虫を用いた寿命・健康寿命自動評価系C-HASを用いて、健康寿命の延伸に作用する因子の同定を目指しています。将来は、その因子を創薬や健康食品の開発に繋げるべく、研究に精進しています。博士前期課程に進学後、米国ハーバード大学医学部付属マサチューセッツ総合病院に約10ヶ月間研究留学し、脳卒中に関する研究を行いました。海外の研究室での実験や、様々な背景を持った研究者との意見交換によって、視野を広げることができました。この経験は、脳内出血治療薬の研究への応用だけでなく、将来の自らのキャリアアップに役立つと考えています。企業または大学で、有効な治療法の存在しない中枢神経疾患に苦しむ患者さんたちの助けとなる画期的な治療薬の開発に従事したいです。また、留学の経験を生かし、日本国内だけでなく海外でも活躍できるグローバルな視野を持った研究者として、日本の医療・製薬への貢献と世界への発信を行なっていきたいです。自身の基礎研究の成果を社会に還元し、貢献したいと考えています。そのため、博士号取得後は、製薬企業の研究者だけではなく、熊薬発のスタートアップである「C-HAS+」や起業など、幅広い視野を持って研鑽を続けています。現在の研究テーマは製薬企業ではできない挑戦的な研究であり、今の自分にしかできないことであるという「やりがい」と、この研究の社会実装に向けた様々な取り組みを経験することができる「楽しさ」を感じ、博士課程に進学しました。博士課程では、薬学研究のみならず、S-HIGOプログラムの講義も履修し、学際性や、多角的な視点からの企画提案力や課題解決能力を養っています。ビジョンアクションビジョンアクション高度な薬学専門性とモチベーションを持 炎症応答制御を基軸とした脳内出血の薬物治療法の確立Establishment of drug therapies for intracerebral hemorrhage based on the regulation of inflammatory responses線虫を用いた寿命・健康寿命自動評価系C-HASを用いた新規健康寿命制御因子の同定Identification of novel healthspan modulatory factors by C. elegans Healthspan Auto-monitoring System (C-HAS)熊薬における

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