活動報告

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第1回 エコファーマ海外研修(英国)

 薬学科4年生2名、薬学科3年生2名と引率教員1名の計5名が、平成21年8月31日(月)から9月6日(日)まで1週間、英国シェフィールド市およびロンドンにおいて、海外研修を行いました。本研修の目的は、先進国における取組を薬学生自身が現地で視察調査し、今後の日本での取組や国際協力にどのように生かせるか考えること、学生自身が研修を通してこれまで薬学部で受けた教育を振り返り、今後の講義・実習ならびに研究に生かすこと、そして将来、薬学の視点に立って環境と命を守る“エコファーマシスト”あるいは“エコファーマシューティスト”として21世紀の社会で地域・国際貢献する新しい人材として成長してもらうことです。
 
 第1回目となる今回は、まず、今後日本で重要になると考えられる"持続可能な社会づくり"をテーマに、地域戦略パートナーシップによる街づくりについて、視察研修しました。薬学生の研修であることを念頭に、特に環境と健康の問題に着目して、公衆衛生の側面から市役所、シェフィールドハラム大学、コミュニティー薬局、中間支援団体、NPO団体のコンソーシアム、社会的企業を訪問し、それぞれの役割と活動について調査しました。

 シェフィールド市での研修の最終日は、研修終了後、シェフィールド市内から車で30分程のところにある、Peak District National Parkに移動し、国立公園内のB&Bに宿泊しました。今回の研修では、唯一英国の自然に触れることができる時間となりました。翌日の午後にはロンドンに移動し、欧州でも最も古い薬用植物園のひとつであるChelsea Physic Gardenを見学し、自然環境と薬学との関わりを改めて実感しました。また、薬用植物園の整備と活用について良い参考になりました。最終日の午前中は自由研修とし、午後は、ウェルカム医療博物館を見学しました。

 今回の研修では、いずれの訪問先でも時間が足りず、駆け足で沢山のことを学び、内容も薬学専門教育から少し離れて社会学的要素が強い部分も多くありましたので、参加した学生には理解が少し大変なようでした。しかし、特にシェフィールドでの研修については、研修に参加しなければおそらく学ぶことのない分野で大変参考になったとの意見を聞くことができました。また、英国と日本の薬学教育の違いも一部見え、英国で実践されている地域社会づくりをうまく日本に導入できれば、英国以上に薬剤師や薬学研究者をはじめとする薬学人が活躍できる場が広がるのではないかと感じました。現役の薬剤師、薬学研究者をはじめ行政官や政治家の方にも一緒に研修に参加してもらえれば、薬学人がその能力を生かして地域社会のなかでより一層活躍できる社会のしくみづくりを一緒に考えることができ、より有意義であったであろうと思うと残念で、次回同様の研修を行うときには、合同の研修を呼び掛けたいと思います。また、ロンドンでは、海外の大手製薬企業やNHSなどを訪問したいと思いましたが今回はかないませんでした。次回は、実現できるよう準備を進めたいと思います。
 
 なお、研修内容については、11月3日(火)の薬学展においてポスターで発表し、さらに11月9日(月)には、公開の報告会を開催して口頭で発表しました。本研修プログラムの開発と実施、および事前・事後学習会の開催は、NPO法人 環境ネットワークくまもと ならびにEPO九州と薬学部との連携により実現し、3者の間に良いパートナーシップを構築できたことも、本研修の成果の一つと言えます。多大なご協力を頂きました関係者の皆様にこの場をかりて、心より感謝申し上げます。また、このパートナーシップがさらに発展するよう今後とも努力していきたいと思います。


 研修実施日程:
 平成21年 8月31日(月) 出国
             9月  1日(火)  午前 シェフィールド市役所 訪問
                     市議会議員、シェフィールドファースト、
                     PCT担当者、市職員などよりヒアリング 
                               午後 Sheffield Health and Wellbeing
                                            Consortium 訪問
         9月 2日(水) 午前 Voluntary Action Sheffield 訪問
                   午後 ZEST 訪問
         9月 3日(木) 午前 Wicker Pharmacy 訪問
                    午後 Sheffield Hallam University 訪問
         9月 4日(金) ロンドンに移動後、
                   Chelsea Physic Gardenを見学
         9月 5日(土) 午前 自由視察
                    午後 ウェルカム医療博物館 見学
         9月 6日(日) 帰国

ポスター発表: 平成21年11月3日(火) 
            於 熊本大学薬学部 宮本記念館 カンファレンスルーム
口 頭 発 表 : 平成21年11月9日(月)
            於 熊本大学薬学部 大江総合研究棟 多目的ホール   

研修ガイド (pdf)
研修報告ポスター (pdf)
研修報告スライド  (pdf)
報告文書 (環境ネットワークくまもと通信72より抜粋) (pdf)

 

 

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