研究内容

スピール膏M〈病院用〉の詳細情報

サリチル酸絆創膏製剤であるスピール膏M〈病院用〉は、うおのめ、たこなどの角化性皮膚疾患に広く用いられています。 本剤の使用に当たり患部以外の皮膚に本薬が接触すると正常皮膚が剥離されるため(図1)、患部と同じ大きさ若しくは患部よりやや小さめに貼付するように指示されています。 しかしながら、現場では患部よりも大きく貼付すると考える患者に遭遇します。 その原因の一つとして、製剤の添付文書・包装面に記載されている「本剤を患部大に切って貼り付ける」(図2)の"患部大"と言う表現を"患部より大きく貼り付ける"と誤解しているのではないかと考えられました。 そこで本研究ではアンケート調査により、"患部大"という表現がどのような使用法を連想するかを調べたところ、65%(図3)の人が"大きく貼付する"と回答し、包装面記載内容を誤解釈している可能性が示唆されました。 この対応策として、本剤の製造販売元であるニチバン株式会社と協議し、添付文書および包装記載内容を"患部大(患部の大きさ)"と改定しました。 さらに本剤の適正使用推進ツールとして視覚的効果を利用した患者向けの使用説明書を作成しました(図4)。

図1

図1

図2

図2

図3

図3

図4

図4

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~論文~

  • 石塚 洋一, 近藤 悠希, 山川 枝里子, 薬師神 壮, 前田 記代子, 辻口 憲司, 丸山 徹, 森内 宏志, 入倉 充, 入江 徹美, サリチル酸絆創膏製剤の適正使用推進を目的とした調査研究, 医療薬学, 34, 274-280 (2008)
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