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研究内容

低出生体重児におけるドキサプラムの母集団薬物動態解析とその有効濃度未熟児無呼吸発作治療の確立を目指して ~禁忌薬物からの脱出~

(本研究は2008年3月横浜で開催された日本薬学会年会のハイライト演題に選ばれました。)

我が国の出生数はここ 30 年で半減していますが、2,500g未満の低出生体重児の割合は年々増加し,1975年の5.1%から2005年には9.5%に達しています。 低出生体重児、特に1,500 g 未満の極低出生体重児は、呼吸機能が未発達であるため、その約50%が無呼吸発作を引き起こします。 放置すれば,重篤な合併症を発症し、死に至る場合もあります。 その薬物治療にテオフィリンが使用されますが、効果を示さない児が 30% 程度存在します。 その場合、禁忌であるにもかかわらずドキサプラムが使用されます。 日本小児科学会の調査では,主な新生児医療施設の約60% がドキサプラムを使用しており、新生児医療において必要不可欠な薬剤であります。 しかし、その体内での動きはバラツキが大きく推定が困難で、有効濃度も明らかにされていません。 そこでドキサプラム投与方法の確立を目指して、全国の新生児医療施設でドキサプラムが投与された児のデータを収集し、母集団薬物動態解析という手法を用いて解析しました。 その結果、ドキサプラムの体内での動きに影響を与える要因を明らかにすることができました。 さらに、その有効濃度も明らかにすることができました。 今後、ドキサプラムによる有効で安全な未熟児無呼吸発作治療が期待されます。

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