皮膚老化の最大の要因は、紫外線による皮膚の光酸化(光老化)であり、皮膚内に発生する活性酸素種(Reactive oxygen species;ROS)が大きく関与すると考えられています。 L-ascorbic acid(Vitamin C;VC) は、強力な抗酸化作用に加え、コラーゲン合成促進作用、メラニン生成抑制作用があることから、強力に皮膚老化を防止する物質として古くから注目されてきました。 しかし、VC は化学的に不安定で皮膚移行性が低いことが問題とされています。 本研究で用いた VC と dl-α - tocopherol (Vitamin E;VE) がマレイン酸を介してジエステル結合した2-[3,4-dihydro-2,5,7,8-tetramethyl-2-(4,8,12-trimethyltridecyl)-2Η-1-benzopyran-6-yl-2-butenedioate]-L- ascorbic acid(CME,図1)は、VC の安定性を改善し、脂溶性ビタミンである VE を導入することにより脂溶性向上を図った画期的VC 誘導体であり、VC の効果に加えVE の皮膚老化防止効果が期待できるハイブリット型ビタミンです。 我々はヒト皮膚培養細胞等を用いたCMEの有用性評価および安定性向上・皮膚移行性向上を企図した処方最適化に関する研究を行っています。 現在、アンチエイジング・スキンケア商品にCMEは配合されており、この時我々の研究成果が活かされました。
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