熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ミズキ科
Cornaceae
ハナミズキ
Cornus florida L.
別名
アメリカヤマボウシ
ハナミズキ
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  • ハナミズキ
  • ハナミズキ
英名
flowering dog-wood
中国名
大花四照花
花期
4月
生薬名
No Information
薬用部位

樹皮,花,根,根皮

成分

樹皮にトリテルペン(betulinic acid, ursolic acid),ステロイド(b-sitosterol)

化学構造式

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  • ハナミズキ 化学構造式1
  • ハナミズキ 化学構造式2
  • ハナミズキ 化学構造式3
産地と分布

アメリカ東部からメキシコ北東部に分布し,花木として広く栽培される.

植物解説

落葉小高木.樹高4~10 m.樹皮は灰黒色で,縦に溝が現れる.葉は対生し,楕円形または卵形で,長さ8~10 cm,幅3~5 cm,鋭頭,円脚,裏面は粉白を帯びて若いときに軟毛が密生する.秋に紅葉する.総苞片は白色で4個あり,長さ3 cmの倒卵形で先端が凹む.果実は石果で,鮮深紅色の卵球形または楕円形となり,数個が集まって付くが,ヤマボウシのように癒合して集合果を作ることはない.

薬効と用途

アメリカでは先住民により様々な用法があり,以下はその一部である.頭痛には樹皮を噛む.花はインフルエンザ罹患時の発汗薬とする.根は解熱薬とする.下痢には根皮を用いる.樹皮と根は回虫や麻疹などの小児疾患に用いる.

庭園樹,公園樹として栽培される.記念樹に適している.日本の街路樹としてはイチョウに次いでハナミズキが多い.原産地のアメリカでも日本人が桜を愛でるのと同じように愛観する.

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