熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

キジカクシ科
Asparagaceae
スズラン
Convallaria majalis L. var. manshurica Kom.
別名
キミカゲソウ
スズラン
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  • スズラン
  • スズラン
  • スズラン
英名
lily of the valley
中国名
鈴蘭
花期
8月
生薬名
鈴蘭(スズラン)
薬用部位

全草

成分

強心配糖体(convallatoxin, convallatoxol, convalloside)

化学構造式

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  • スズラン 化学構造式1
  • スズラン 化学構造式2
  • スズラン 化学構造式3
産地と分布

北海道,本州,九州,および朝鮮,中国,サハリン,東シベリアに分布し,山地や高原の陰湿地帯にある林下,林縁に生える.

植物解説

多年草.根茎は伸長する.葉は2個根生し,基部は鞘状で互いに抱茎し,長楕円形か卵状楕円形で長さ12~18 cm,平滑で急尖頭,全縁.基部が鱗状葉に覆われる高さ20~35 cmの花茎を出し,白色か帯紅色の鐘形の花を総状花序に10個内外付ける.

薬効と用途

強心配糖体が含まれる.同様に強心配糖体を含む近縁のドイツスズランがかつてヨーロッパで強心,利尿薬として用いられた.いずれも流涎,悪心,嘔吐,頭痛などを起こし,多量摂取で呼吸停止,心不全に陥り死に至るため,現在は用いられることはない.
観賞用として栽培される.熊本県では阿蘇地方の極一部のみに見られ,県の条例で「指定希少野生動植物」になっている

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