熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

オトギリソウ科
Hypericaceae
オトギリソウ
Hypericum erectum Thunb. var. erectum
オトギリソウ
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  • オトギリソウ
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  • オトギリソウ
英名
No Information
中国名
小連翹
花期
9月
生薬名
①小連翹(ショウレンギョウ)
薬用部位

①全草,②葉

成分

全草にアントラキノン類(hypericin),クロマン類(hyperimone A, hyperimone B)

化学構造式

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  • オトギリソウ 化学構造式1
  • オトギリソウ 化学構造式2
  • オトギリソウ 化学構造式3
産地と分布

北海道から九州,および朝鮮,サハリンに分布し,山地,丘陵地に生える.

植物解説

多年草.草丈30~80 cm.茎ははじめ2稜があるがのちに円柱形となり,単生あるいは数本が株立ちとなり,あまり分枝しない.葉は狭三角状卵形~狭楕円形,基部は心形でなかば茎を抱き,無柄.葉身の内側には黒点があり時に明点が混じり,辺縁には黒点がある.花は5~20個が集散状に付き,径約15 mm,黄色で赤みを帯びることはない.蒴果は卵形~長卵形で,長さ5~11 mm.

薬効と用途

全草は止血,鎮痛,収斂,利尿作用などがあり,月経不順,扁桃炎,カゼの咳などに煎液を服用し,打撲傷,腫れ物にそれを外用する.切り傷,打撲傷,虫刺されには生の汁を塗布するが,皮膚炎を起こす恐れもある.また,徳島県では全草を酒に浸し,中風,リウマチ,神経痛の予防薬として利用される.
弟切草と書き,平安時代の伝説に,これを鷹の秘伝の傷薬としていた鷹飼いが,この秘密を他人に漏らした弟を切り殺したという話に由来する.

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