熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ミソハギ科
Lythraceae
ザクロ
Punica granatum L.
ザクロ
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  • ザクロ
  • ザクロ
英名
punic
中国名
石榴
花期
5~6月
生薬名
①石榴皮(セキリュウヒ),②石榴根皮(セキリュウコンピ)
薬用部位

①果皮,②根皮

成分

根皮にアルカロイド(pelletierine, pseudopelletierine),タンニン(granatin A)

化学構造式

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  • ザクロ 化学構造式1
  • ザクロ 化学構造式2
  • ザクロ 化学構造式3
産地と分布

小アジア原産.日本では主に庭園樹として植栽される.

植物解説

落葉高木.樹高10 m以上.幹は平滑で屈曲し多数分枝する.葉は対生し長楕円形か倒長卵形,長さ約4 cm,全縁.枝先に赤色花を数個付ける.液果は球形で果皮が厚く革質,黄色か赤色.種子は淡紅色,外種子は透明で多汁,酸味がある.

薬効と用途

果皮,根皮ともに駆虫作用があり,細菌性,アメーバ性腸炎の下痢,条虫や回虫の虫下しに用いる.果皮には止血作用があり,性器出血や脱肛に用いる.ただし根皮,樹皮には毒性があり,めまいや震えなどの副作用が起こるため最近は使用されない.口内炎や虫歯などには果皮の煎液でうがいする.
種子の周囲(種衣)は食用とされる.古代ヨーロッパでは豊穣の,中国では子孫繁栄の象徴と考えられた.観賞用にも植栽される.

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