熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ウリ科
Cucurbitaceae
トウガン
Benincasa hispida (Thunb.) Cogn.
トウガン
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  • トウガン
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英名
winter melon, wax gourd
中国名
冬瓜
花期
8~11月
生薬名
①冬瓜子 【局】
薬用部位

①種子,②果肉,③果皮

成分

① にアルカロイド(trigonelline),トリテルペン(taraxasterol, 6α, 14α-methanopicene)

化学構造式

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  • トウガン 化学構造式1
  • トウガン 化学構造式2
  • トウガン 化学構造式3
産地と分布

東南アジアの原産といわれ,アジア,アメリカ,アフリカで広く栽培され,日本には古くから渡来し,栽培される.

植物解説

つる性の一年草.茎は伸長し匍匐して長さ6~7 mになり,2~3叉する巻きひげがある.葉は互生し,広卵形から腎臓状卵形で長さ5~15 cm.掌状に5~7浅裂し,尖頭で細鋸歯縁.雌雄同種.葉腋に黄色の単生花を付ける.液果は長円柱形で長さ30~60 cm,種子は長卵形で淡黄白色.

薬効と用途

種子は清熱,排膿作用があり,肺炎による咳や肺化膿症,虫垂炎などの化膿性疾患に用いる.漢方処方では大黄牡丹皮湯などに配合される.また,果肉や果皮には利水(体の水分代謝を調える)作用があり浮腫や排尿障害などに用いる.
食用として栽培され,貯蔵性に優れ冬の食べ物として知られることから「冬瓜」という.果実内部の白い「わた」は衣服の洗濯用,化粧用とされた.わた,茎,葉も利尿作用があるとされる.

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