カキノキ科
Ebenaceae
カキノキ
Diospyros kaki Thunb.
- 別名
- カキ
- 英名
- Japanese persimmon, Chinese persimmon, kaki
- 中国名
- 柿
- 花期
- 4~5月
- 生薬名
- ①柿蔕(シテイ),②柿漆(シシツ)・柿渋(カキシブ),③柿霜(シソウ),④柿葉(シヨウ),⑤柿餅(シベイ)
- 薬用部位
①へた,②果実から得た渋,③干し柿の表面に生じる白粉,④葉,⑤果実を加工して餅状にしたもの
- 産地と分布
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日本には奈良時代に中国から伝わったとされている.
- 植物解説
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落葉高木.樹高3~9 m.幹は直立して多く分枝,若枝には細毛が密生.葉は互生,楕円形で長さ7~17 cm,鋭頭で全縁.花期は6月.雌花は葉腋に単生し,雄花は2~3花を集散花序に付け淡黄色,つぼ状,花冠は4裂する.古くから果樹として広く栽培されており,多くの品種が存在する.
- 薬効と用途
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果実のへたはしゃっくり止めの特効薬として,古くより民間でも漢方でも用いられた.漢方処方では柿蔕湯,丁香柿蔕湯などに配合されている.柿渋は高血圧に大変効果があるほか,傘や和紙の防水,防腐剤として用いられた.現在では日本酒製造における清澄剤としても用いられる.干し柿の表面に生じる白粉は咽喉痛や咳に,葉は日本の民間薬として血圧降下作用のある健康茶として用いられる.果実を加工して餅状にしたものは咳,血痰,下痢,痔などに用いる.生の果実は食用であるが,二日酔いなどの酒毒を消す作用がある.冷やす作用が強く,食べ過ぎると便秘や腹痛の原因となる.
果樹として,また柿渋採取用に栽培される.
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