熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

キク科
Asteraceae
オケラ
Atractylodes ovata (Thunb.) DC.
オケラ
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  • オケラ
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英名
Japanese atractylodes
中国名
関蒼朮
花期
9~10月
生薬名
白朮(ビャクジュツ)【局】
薬用部位

根茎

成分

セスキテルペン(atractylon, selina-4(14), 7(11)-dien-8-one)

化学構造式

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  • オケラ 化学構造式1
  • オケラ 化学構造式2
  • オケラ 化学構造式3
産地と分布

本州,四国,九州,および朝鮮,中国東北部に分布し,日当たりのよい山地の乾いた所に多い.

植物解説

多年草.根茎は長く,草丈30~60 cm.硬くて円柱形.葉は互生,長柄があり,羽裂または楕円形.枝の頂に白色または紅色の頭花を付ける.雌雄異株.オケラの語源は古名ウケラがなまったものとされるが,ウケラの語源は不明.

薬効と用途

健胃,利水(体の水分代謝を調える)作用があり,食欲不振,腹部膨満,下痢などの症状に用いる.漢方処方では帰脾湯,半夏白朮天麻湯などに配合される.同属のホソバオケラの根茎は蒼朮と呼ばれ,白朮と使い分けがなされるが,用法に混乱が見られる.一般的に,白朮は蒼朮よりも健胃作用が強く,利水作用は弱いとされる.
「山でうまいはオケラにトトキ(ツリガネニンジン)」と謳われ,若芽は山菜としてごま和えなどで食べられる.熊本県では生育環境の悪化により絶滅寸前である.

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