熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ウリ科
Cucurbitaceae
オオカラスウリ
Trichosanthes laceribracteata Hayata
別名
フサウケバカラスウリ
オオカラスウリ
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  • オオカラスウリ
  • オオカラスウリ
  • オオカラスウリ
英名
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中国名
長萼栝楼,槭葉栝楼
花期
7~8月
生薬名
①栝楼根(カロコン)【局】,②栝楼仁(カロニン),③栝楼実(カロジツ)
薬用部位

①皮層を除いた根,②種子,③果実

成分

①にトリテルペン(cucurbitacin B,D, bryonolic acid, isocucurbitacin B)

化学構造式

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  • オオカラスウリ 化学構造式1
  • オオカラスウリ 化学構造式2
  • オオカラスウリ 化学構造式3
産地と分布

四国,九州,沖縄,および中国,台湾,ベトナム,マレーシア,インドに分布する.

植物解説

つる性多年草.根はダイコン状に太く,長く地中に入る.葉は心形または腎心形で,掌状に5~7裂し,表面に密に短剛毛がある.雌雄異株.雄花序は30 cmに達し,苞は倒卵形,長さ3~4 cm,縁は截裂する.液果は楕円形~球形で長さ5~8 cm,朱赤色となる.種子は長楕円形で汚白色,長さ12~13 mm.
同属のカラスウリ,キカラスウリとの区別点として,本種は葉の表面のひどくざらつく毛が挙げられる.

薬効と用途

根は鎮咳去痰,清熱作用があり,熱性疾患および肺炎や気管支炎の咳や痰,熱病および糖尿病による口渇などに用いる.種子は清熱,鎮咳去痰,通便作用があり,熱性の咳や痰,乾燥性便秘に用いる.果実はそれらの作用のほか,清熱,鎮咳去痰,潤腸に加え,胸の痛みやつかえを除く作用がある.漢方処方は,根は柴胡桂枝乾姜湯,柴胡清肝湯などに,種子は柴陥湯,栝楼薤白湯などに,果実は栝楼薤白湯(栝楼仁の代用も可)に配合される.

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