薬用植物園

季節の花

バイモ 2019.03

2019030101.jpg(平成31年3月7日撮影)

学名: Fritillaria thunbergii Miq
科名: ユリ科 Liliaceae
別名: アミガサユリ
英名: Fritillary
中国名: 浙貝母
生薬名:

貝母(バイモ)  使用部位:鱗茎

 中国原産の多年性植物です。日本では1718年に渡来し、切り花や観賞用として利用されています。茎は直立し高さは30~80cmほどです。葉は一か所から2~3枚ずつ輪生します。花は当園では3月上旬から咲かせています。別名のアミガサユリという名は花が傘のような形をしており、内側に網目模様があることからつきました。バイモという名は鱗片が、母貝が子貝を抱いたようにあわさっていることに由来します。

 日本では1980年頃から奈良県周辺で生薬である貝母の生産が行われており、中国産のものを「浙貝母(セツバイモ)」、日本産のものを「大和貝母(ヤマトバイモ)」といい区別されてきました。ですが年々栽培地が減少し、2000年頃に栽培が終了したそうです。

 薬用として、鎮咳、去痰、排膿作用があり、鱗茎を使用します。漢方処方では「清肺湯(セイハイトウ)」(構成生薬16味:当帰、麦門冬、茯苓、黄芩、桔梗、杏仁、山梔子、桑白皮、大棗、陳皮、天門冬、貝母、甘草、五味子、生姜、竹筎)などに配合され、切れにくい痰をともなう長引く咳に用いられます。



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(平成31年3月7日撮影)

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