昔懐かし大豆を用いた麹,味噌,納豆,豆腐,団子,呉汁の作り方
注意:大豆にはタンパク分解酵素が入っています.生で食べると胃を痛めます.

[1]麦麹(コウジ)の作り方     2000.10 文章作成:熊本市大江 松永チサ子

1.麦を一つまみ水に浸し,浸水時間を調べておく(中身が鉛筆の芯ほど白く残る程度)
2.浸水時間に合わせて量により浸水したのもをざるに上げ,蒸し器に入れて(餅状になるまで)蒸し,むしろにひろげて38度Cになったら種麹を混ぜ,30度Cより下がらないように,また,40度Cに上がらないように気を付けて2昼夜おくと仕上がる.

*気を付けて注意をすること
イ)種麹をつけたら,10時間位から気を付けて温度が上がりすぎないように中からひろげてうすくしていく.
ロ)ほんのり,麹の香りがして,白くなってきたら,2cm位の厚さにひろげて,もろぶた一枚になるようにする.この時混ぜたらだめになります.混ぜないように.
ハ)良い種麹を使うこと


[2]家庭で作る味噌の作り方

材料:大豆1.4kg,麦麹1.4kg,塩700g,分量外の塩(適量),さらし布,中ぶた,重石5−6kg,重石は味噌と同じぐらいの重さ.ハトロン紙 (塩は天然塩が好ましい)
大豆は国産の良質のもの(今年取れたもの)
1.大豆はとぎ洗いし,大豆の3.5倍量の水に一晩浸ける(ふやかす)
2.水を切った大豆を鍋に入れ,大豆がかぶる量の水を加え,弱火で4−5時間熱する.指でつぶれる硬さになったら,火を止める.
3.熱いうちに煮汁を切り,すり鉢に適量づつ加えながらするつぶす.煮汁は捨てないこと.
4.麹はばらならにももほぐして混ぜ,同時に分量(700g)の塩を混ぜる.これを塩切り麹という.
5.バットに3.のつぶした大豆を移し,4.の塩切り麹を加え,丁寧に良く混ぜる.
6.さらに3.の煮汁を,握ってまとまる程度に加え,直径10cm程度の味噌玉を作る.
7.熱湯で良く殺菌したカメの底に塩を2杯程度ふり,すき間の無いように味噌玉を詰め込む.
8.表面をたたき,さらに布を貼り,塩約200gをふって,おしぶたをして,重石を乗せる.その上からハトロン紙で覆い,紐でくくって,冷暗所に置く.

仕込み後の管理
*途中1ヶ月に一回ぐらい封を開け,カビが生えていないか確かめ,生えていたらその部分を除き,上の布は良く洗って,煮沸消毒し乾かし,8.と同様にかぶせ,塩をふり,フタをする.(早くて3ヶ月,6ヶ月位したら食べごろである)


[3]家庭で作る納豆の作り方

材料: 大豆(700g),納豆菌(市販の納豆で良い)
1.大豆は国産の質の良いものを使う.(その年に取れたもの)
2.大豆は奇麗に洗い,大豆の3.5倍量の水に一晩つけておく.(ふやかす)
3.ざるで水を切り,鍋に大豆を入れ,大豆がかぶる量の水を入れる.指でつぶれるくらいの柔らかさまで煮る.
4.煮た大豆を,穴の開いたお玉で木の折箱に手早く移し(煮汁を切ること)納豆菌を混ぜる(市販の納豆1パックで良い)
5.木の折箱に詰めたら,二重の新聞紙で包む.その上をフロシキで包み,さらにベビ−毛布位のもので包む.これをコタツの中に入れる.コタツの温度は40度C以上にならないようにすること.一晩で出来ます.

*注意すること:30度C以下,40度C以上にならないようにする.
 昔は稲わらを使っていた,稲わらにはいろんな雑菌がついているので,熱湯消毒をして乾燥し作っていた.(稲わらに納豆菌がいる.他の雑菌もいる)

[4]家庭で作る木綿豆腐の作り方

材料:大豆,凝固剤
1.大豆をひろげ,かけた豆,痛んだ豆を丹念に取り除く.(国産大豆の良質のものを用いる)
2.大豆を丁寧に水洗いし,不純物,ゴミを丁寧に取り除く.この手間を怠ると水に浸けた時に泡が立って失敗する.
3.奇麗に洗った大豆を,三倍量の水に浸けふやかす.水に浸ける時間は夏で10時間,]冬で14時間を目安とする.豆が二倍量にふくれるまで.
4.ふやけた豆と同量の水をミキサ−に入れ,どろどろの状態になるまで撹拌する.この状態物のを呉という.すり鉢ですっても細かくはならない.
5.どろどろの呉を鍋に移し焦げないように鍋の底をかき混ぜながら最初は強火で,煮立ったら弱火で15分位煮ます.
6.煮立った呉を熱いうちに布でこします.(布はさらし布がよい)
(ボ−ルの上に布を敷き静かに呉を流すと,ボ−ルの中に豆乳が,布の上にはそのかす(オカラ)が残ります.オカラを良く絞って,豆乳を出す.豆乳を搾りきる.熱いので火傷をしないように注意.手をたえず水で冷やしてから絞ると良い.)
7.凝固剤(ニガリ),今は硫酸カルシュム,海水のニガリが良い.豆乳の1%量ほど量を別の鍋に入れ5倍量の水に溶かす.
8.6.の豆乳が少し冷えたら(80度C程度)
(少し冷えると豆乳の表面に薄い膜がはります.これが湯葉です.取り除いてから,10.で注ぎ込みます.)
 表面の湯葉を取り除き7.のニガリを注ぎ込む.最初は静かに注意しながら加え,後は一気に流し込み,豆乳とよく混ぜる.
9.箱型にさらし布かガ−ゼ(二重に)を丁重に箱の四面にはり付ける.
10.8.ニガリを加えた豆乳の液は5分もすると固まります.角をつつきながらまんべんなく詰め込みます.箱一杯に入れて下さい.
11.詰め終わったら布を豆腐の上にかぶせ,丁寧に押しフタをして軽い重石で押します.
12.20分もすると型箱に入った豆腐の水気が布を通して落ちます.木綿豆腐の出来上がりです.そのまままだ熱い豆腐を食すのも最高に美味しいです.

*注意
大豆の量が少ないと豆腐になりませんので,家庭ではなかなか難しいと思います.
昔は,石臼で大豆を粉にしました.大豆2kgから豆腐600g位が出来ました.10丁位です.


[5]大豆団子の作り方

材料:大豆4カップ,メリケン粉(小麦粉)1Kg,団子の粉100g,砂糖80g,塩大サジ一杯
1.大豆はきれいに洗い,大豆の量の3倍の水で一晩つける.
2.次の朝,水を切り,大豆を鍋に入れ,大豆がかぶる量の水を加えて10分ほど煮る.(この煮汁は捨てないこと).ざるで煮汁を除いた大豆と他のもの[メリケン粉,団子の粉,砂糖,塩]および適量の大豆の煮汁を入れ良く混ぜ,団子が出来る硬さにする.
3.団子を作る(食べやすい大きさで).団子は平たくしたほうが火が通りやすい.
4.鍋に水を入れ強火でたく.お湯が沸騰したら,団子を入れ,団子が浮き上がり透明感が出たら,穴の開いたお玉ですくい上げる.

*昔は子供のおやつで良く食べた.美味しかったですよ.


[6]呉汁の作り方

材料:大豆,みそ汁の材料
1.一晩水でふやかした大豆をつぶす.(ミキサ−でも,すり鉢でもよい)
2.みそ汁の具を入れで沸騰した鍋に1.の呉を入れ沸騰させる.その後味噌を入れて,味を整え出来上がり.