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研究室配属前の学生諸君へ

 当ウェブページにお越しいただき、ありがとうございます。私は定年退官された國枝武久教授の後任として、平成16年5月1日付で熊本大学に赴任致しました。前任地が北海道だったため、こちらの夏の暑さには閉口しましたが、ようやく、南国暮らしになれてきました。

 私たちの主要な研究テーマは「不斉合成(研究内容のページ参照)」です。しかし単に高い立体選択性を得ることだけが目的ではなく、そこから新しい化学を生み出すことを目標としています。従って、たとえ立体選択性が全く出なくても、その反応が進行するということだけで論文が書けるような新反応の開発に精力を注いでいます。自分達で開発した反応を他の人が使ってくれた時の喜びはひとしおです。

 当研究室の学生の到達目標は、有機化学を通して科学の考え方を修得することです。実験面では、学部生は、先輩やスタッフにやり方を教われば確実な実験できるレベルに、修士課程の学生は、先輩やスタッフに言われれば自分で方法を調べて実験できるレベルに、博士課程の学生は、自分で何を実験すればよいか考えそれを実践できるレベルになることを目標としています。また、修士課程の学生には在学中に少なくとも1度は学会で口頭発表を、博士課程の学生には1度は海外で研究発表することを課しています。自分で実験を組み立ててそれを実践し、さらにその成果を発表できてはじめて、研究者として認められるからです。有機化学は、どの製薬企業の研究所にも存在する部門ですから、そうした場で卒業生が活躍することを願っています。

 研究室に入ると、単に講義室に座っているばよかった今までとは全く違う生活が待ってます。「学生」という意識を卒業して「プロフェッショナル」として自立できるよう自分を高めることが必要です。そのためのお手伝いをするのが、われわれ教員です。従って、実験も発表も相応の訓練をしますので、積極的な姿勢で望んで下さい。研究室での生活は、人生全体の中ではわずかな時間です。それを、単に楽しく過ごすか、それとも将来の自分にとって有益なものにするかは、学生諸君次第です。努力するものが報われるのは、どの世界でも同じです。この限られた時間を自分に投資できる学生さんを募集中ですので、興味のある方は、お気軽に見学に来てください。

中島 誠