分子修飾による薬物の機能性改善とその体内動態解析

エステル誘導体の生体内変換に関わるカルボキシルエステラーゼ各分子種の基質認識性および臓器特異性
加水分解酵素であるカルボキシルエステラーゼは、そのアミノ酸配列の相同性からCES1、2などのファミリーに分類されます。つまり、似たもの同士でグループ分けされているわけです。さらに一つのファミリーから、サブファミリー、アイソザイム(分子種)と分類され、同じ分子種に分類されているカルボキシルエステラーゼは、非常に良く似た性質を持っています。私達は、それぞれの分子種ごとで、エステル誘導体の生体内変換の基質認識性(エステル結合を持つ薬の分解しやすさ)および臓器特異性(どの臓器にどんな分子種が存在するのか)について調べています。

Caco-2細胞を利用した分子修飾体の吸収メカニズム
Caco-2細胞とは、ヒト結腸ガン由来の細胞を不死化したもので、薬が腸から吸収されるときの様子を調べる時に、ヒトの腸のモデルとして使われます。そのCaco-2細胞を用いて、私達が合成した分子修飾体(発売されている薬を、分子修飾という方法で改良したもの)が、どのように吸収されるかを調べています。

Caco-2 膜透過性および酵素分解データから、薬物速度論的手法を用いたエステル誘導体のin vivo 体内動態の予測
上記のCaco-2細胞等をによる実験や、試験管内で行った酵素分解実験のデータから、実際ヒトが薬を飲んだときの体内動態(からだの中で、薬がどのような道をたどって動き、消失して行くのか)の予測を試みています。予測が可能になると、薬を実際にヒトが飲むことなく、およその体内動態を把握することができ、体に有害な作用が現れたりするのを、未然に防ぐことが出来ます。